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ポータブル電源ってなんだ?

2021年9月22日

ポータブル電源

管理人hiro(@DoorLoves)です。

ポータブル電源ってなんだ?
そんな疑問にお答えします!!

ポータブル電源がどんなものか、どんな仕組みで、どんな活用方法があるかなどをご紹介したいと思います。

こんな方におすすめ

  • ポータブル電源がどんなものか知りたい方
  • ポータブル電源の活用法を知りたい方
  • ポータブル電源の仕組みを知りたい方
  • ポータブル電源を購入しようと思っている方

ポータブル電源ってなんだ?(概要)

ポータブル電源とは、言葉の意味がそのまま当てはまります。

ポータブル ⇒ 可搬、携帯できる

つまり、持ち運び使用できる電源ですね。

本体の内部に高容量のバッテリーを搭載し、
コンセントなどの電源設備がない場所で
家電製品の使用やパソコン・スマホの充電などを可能にする製品です。

一般的な製品には、下記の出力ポートを持っています。

出力ポート

  • 交流電流(AC:Alternating Current)のコンセント
    家庭と同じ100V(ボルト)のコンセント
    交流電源には矩形波と修正波、正弦波があります。
  • USBポート
    スマホやノートパソコンなどの充電に
    使える直流電流(DC:Direct Current)
  • DCアダプタ
    車載用製品のアダプタ

バッテリーの容量は製品によってさまざまですが、
おおよそ200Wh(電力量:ワットアワー)から1500Whの製品があります。(2021年9月現在)

充電方法は、製品により違いますが、
最大で3つの方法となっています。

充電方法

  • 交流電流(AC:Alternating Current)のコンセント
  • 車載時のDCアダプタ
  • ソーラーパネル

バッテリーの電力量(Wh)と放電容量(mAh・Ah:ミリアンペアアワー・アンペアアワー)に関してはまた別の記事で紹介したいと思います。

ポータブル電源の歴史

ポータブル電源の歴史は、リチウムイオン電池(リチウムイオン二次電池)の開発と技術発展にとても関係しています。

ひと昔前の携帯の充電池はニッケル水素電池が使用されていました。
携帯の電池パックに下のマーク(ニッケル水素電池リサイクルマーク)を見たことはないでしょうか。
ニッケル水素電池

重量容量比(簡単に言うと大きさに対する電力容量の効率性)が高くなく、
端末の小型化、電力量アップが期待されていました。

リチウムイオン電池
リチウムイオン電池の研究が行われ始めたのは、1970年代後半からです。
現在のリチウムイオン電池の原型が出来上がったのは、1985年でした。
1990年代に入ると、次々と商品化されました。
1999年にはバッテリーの中の電解質にゲル状のポリマーを使う、
リチウムポリマー電池が商品化
されました。

2000年代に入ると、リチウムポリマー電池がモバイル用電子機器のバッテリーとして使われることが多くなり、現在スマホではほぼリチウムポリマー電池が使用され、小型・高容量化されています。

リチウムイオン電池の製品化により、
モバイルバッテリーやさらに大型であるポータブル電源が実用化され始めました。
2015年にJackryがリチウムイオン電池のポータブル電源を開発しました。
今ではたくさんのメーカーが存在し、しのぎを削っています。

日本国内でポータブル電源を扱う主要メーカーの一覧です。

ポータブル電源ってなんだ?(仕組編)

始めに、電池には一次と二次と存在します。
一次電池とは、使い切りタイプのものです。
一般的な乾電池などを想像して頂ければよいです。
対して二次電池とは、充電が可能な電池です。

ポータブル電源やモバイルバッテリーに使用されている電池は、
充電が可能な二次電池が使用
されています。

リチウムイオン電池の構造は、
正極(+)と負極(-)、正極と負極を分けるセパレーター、それらを満たす電解質でできています。
形や電極の種類により性質や性能が変わります。

リチウムイオン電池の充電と放電の仕組みは以下です。

  • 充電時
    充電時は正極から電流が流れ、リチウムイオンが負極側に移動します。
    正極と負極の電位差により充電される仕組みです。
    電位差とは、簡単に言うと電気を蓄えている量の差です。
  • 放電時
    電位差により、より低い方へ流れようとするため、
    正極から負極に向けて電気が流れます。
    電気が流れることにより、負極に集まっていた
    リチウムイオンが正極側に移動します。

発電機とポータブル電源の違い

小型発電機

小型発電機

発電機はガソリンを使用し、内燃機関(エンジン)で発電を行うものです。
火器のため、室内や換気の悪い場所での使用はできません
ガソリンの燃焼は高濃度の一酸化炭素を発生させます。
密室・狭い空間では、数分で危険な一酸化炭素濃度となります。

しかし、動力を使用するため、
電力の定格出力は、現在のポータブル電源よりも秀でています。
発電機の出力の表示は、kVA(キロボルトアンペア)となっています。
小型発電機の定格出量は、最大級で6kVAぐらいです。

1kVAは、おおよそ1,000Wとなります。
最大級の定格出力を持つもので6,000Wもの電力を供給できます。

対して、ポータブル電源の定格出力は、
300W~500Wが主流
となり、
大きいものでも、1,500W・1,800Wという数字です。

また、エンジンであるため発電には音を発します。
騒音値は高く、小さいものでも70dB(デシベル)、大きいものでは90dBを超えます
バイクや車のマフラー付近での排気音と同等で、80dBで電車の車内のレベルです。

ポータブル電源はほぼ無音です。
インバータの稼働している音ぐらいでしょうか。

発電機は、ほぼすべてのキャンプ場で使用が禁止されています。
バイクや車の排気音と同等の騒音を出すので、
当たり前の対応でしょうかね。
キャンプ場で電源を使うとなると、電源付きサイトか
ポータブル電源の2択
になります。

発電機の使用が可能な野営などの場合では、
発電機は重宝することと思います。
燃料を継ぎだすことで稼働時間は長くすることが可能です。
(ただし、起動させたままの燃料追加はNGです。
何度も火災事故が起きています。)

モバイルバッテリーとポータブル電源の違い

モバイルバッテリーは主に、スマホやノートパソコンの充電に使用されます。
そのため充電のための出力端子は、USBポートだけを装備しています。
大きさはスマホサイズ以下の製品が多いです。

容量は、放電容量(mAh)が使用されています。
容量の小さな数千mAhのものから、数万mAhのものまで多種多様な製品があります。
最大のものは50,000mAhのものをみかけました。

ポータブル電源に使用される電力量(Wh)と同様の単位にするには、
定格電圧をかけることで算出が可能です。
モバイルバッテリーの定格電圧は、3.7Vのものが大半です。
例えば、10,000mAhのものであれば、
10,000mAh ⇒ 10Ah
3.7(V) × 10Ah = 37Wh
となります。

ポータブル電源との電力量は大きな違いがありますね。

電源付きサイト

もうひとつ電源と言ったら、電源付きサイトも思いつくのではないでしょうか。

電源付きサイトは、最大10A(アンペア)までが多いです。
最大20Aまでのサイトもたまにあります。
使用できる電化製品は、
それぞれ1,000Wと2,000Wまでとなります。(計算法:100V(ボルト)×10A)

電源付きサイトでは、使用できるアンペアをしっかりと確認し、
超える電力を使用しない
ように気を付けましょう。
自身のサイトだけではなくキャンプ場全体のブレーカーが落ちる等、
他のサイトにも影響が出てしまうことがあるので注意が必要です。

高容量・高出力のポータブル電源(定格出力1,000W、1,500Wなど)はほぼ電源付きサイトと同様に
家電製品を使えるということになります。
ただし、電源サイトは無限の電力供給ですが、
ポータブル電源は保有している電力量までしか使用できません。

使用シーンと消費電力

想定できるポータブル電源の使用シーンをまとめてみました。
管理人hiroが想定した使用シーン意外にも
おそらく多種多様な使用方法があるかと思います。

使用シーン

  • キャンプ
  • フィッシング
  • DIY
  • 在宅勤務(場所を選ばない勤務)
  • 防災対策

それではそれぞれ見ていきましょう。
当ブログはキャンプ・アウトドア・DIYを主に扱いますので、
そのあたりを主体で考えてみます。

キャンプ

キャンプでポータブル電源を使用し活躍するシーンは意外とあります。
必須というわけではないですが、あるととても便利です。

こんな時にちょっとした家電製品があったら楽だなって思うところに
ポータブル電源を持ち込むことでとても楽に快適に過ごすことができます。

  • 充電式電子機器の充電
    お家で充電をして持っていきますが、
    充電忘れや自然放電、連泊などによる不足が充電式電子機器には起こり得ることです。
    こんな時に強い味方となるのがポータブル電源です。
    充電式電子機器の再充電を外出先で可能とします。
  • 夏時期の暑さ対策
    夏時期の低地でのキャンプは非常に暑いです。
    また、標高の高い場所においても、昼間はやはり暑いです。
    ポータブルクーラー(家庭用の6畳エアコンと同レベルの冷房能力2.0Kw前後)
    のものでは消費電力の問題で数時間程しか使用できません。
    扇風機やミニクーラー・冷風機、ポータブル冷蔵庫などは
    長い時間継続的に使用が可能です。
    消費電力目安

    品名 消費電力
    ポータブルクーラー 600W前後
    扇風機 30cm羽 強 約40W
    冷風機 数十W
  • 冬キャンプを暖かく
    冬キャンプで暖かく過ごすには、暖房機器の使用が欠かせません。
    暖房器具は、火を利用する薪ストーブや石油ストーブ、
    電気を使用するものでは、電気ストーブやこたつ、ホットカーペット、電気毛布などがあります。
    下の消費電力目安を見ていただけるとわかりますが、電気ストーブを継続的に使うのはポータブル電源にはなかなか難しいところでしょうか。
    消費電力目安

    品名 消費電力
    電気ストーブ 300W~1200W
    こたつ 500W~600W(起動時) 100W~200・300W(継続起動)
    ホットカーペット 100W~700W(1畳~3畳)
    電気毛布 3W~30W(弱~強)
  • ちょっとした家電を使用して便利に
    消費電力の少な目な調理家電(小型電気コンロや小型ホットプレート)などや
    電気式タコ焼き機、ポータブル冷蔵庫などの使用は
    キャンプでの便利さを一段引き上げてくれます。
    キャンプでタコパー(たこ焼きパーティー)なんて絶対楽しいと思います。
    お子様も喜ぶこと間違いなしです。
  • アウトドアシアター
    ノートパソコンやDVDプレイヤーとポータブルプロジェクターを持ち込み
    テント幕や陣幕に投影したらアウトドアシアターが完成します。
    お外で映画を観ながらまったりとした時間を過ごす、
    最高なひとときですね。ただし、音量や時間、光の漏れなどには十分に気を付けて楽しみましょう。
    他のキャンパーもそれぞれ思い思いの好きな時間を過ごしていることを忘れないでくださいね。

フィッシング

夜間の釣りや電動リールの充電において重宝します。
また、車中泊となることもあるので車内での電源使用に便利です。

夜間での釣りでは明かりや、寒さなどに対応する必要があります。
ポータブル電源は、その両方を解決してくれます。
電気毛布の使用や照明器具などを簡単に使用させてくれます。

また、投光器を使った釣りも可能とします。
投光器を海面に使用すると、プランクトンが集まり、
それを狙い小魚や小魚をさらに狙う大型魚が集まりやすくなります。
また、周囲も明るくなるので釣りもしやすくなります。
一石二鳥ですね。

DIY

電源の遠い場所での電動工具の使用に便利です。
コンセントから遠い場所でコードタイプの電気工具を使用する場合、
延長のドラムを使用することが多いと思います。
それでも足りない場合はコードタイプの電気工具は使用できません。
ポータブル電源を利用すれば、作業をしたい場所で自由にコンセントタイプの電気工具を使用できます。
作業効率がとても上がりますね。

また、充電タイプの工具においても、
充電池の充電に使用することができ、
継続した長い時間の作業を可能とすることができます。
とても便利ですね。

テレワーク(場所を選ばない勤務)

昨今の社会情勢や働き方改革により在宅勤務が多くなりました。
テレワークで必要なものは、データ通信環境・電話回線・ノートパソコンがあればよいかと思います。
これだけそろえれば、どこででも仕事ができてしまう環境が整ったかたちです。
出社不要の完全在宅となった方の中には、地方に生活基盤を変えた方々もいらっしゃるようです。
実はこの条件、ポータブル電源を使用すると飛躍的に自由度が増します
現在、携帯の回線網は人口カバー率が100%に近い数字になっています。
つまり、人が住む場所の近くではほぼ携帯の電波が届くということを意味します。
回線や通信環境はスマホと電波があれば解決です。
これに、ポータブル電源で電源が供給できるとなると、
どこででも仕事ができるんです。
極端な話、キャンプ場や海辺・川辺、山などのアウトドアで仕事ができちゃいます
活用しない手はないですね!

防災対策

日本は4つの大陸プレートに囲まれ、世界に類を見ない地震大国です。
また、温暖化の影響によるものか、今までに経験のない集中豪雨や、
勢力の強い台風の上陸などが近年多く見られます。
自然災害に由来する停電や避難生活において
情報の取得や連絡手段に通信機器は欠かせません。

国内の停電発生時の必要復旧時間は平均で最大2・3日だそうです。
まれに、完全復旧までに数週間かかることがあります。
(2019年の台風15号による千葉県・内房の停電など)
その間に自宅での避難生活や避難場所での電源の確保に役立ちます。

防災対策として使用する場合、
できるだけ多くの電力を保持できるものがおすすめ
です。

まとめ

まだまだポータブル電源は発展途上であると思います。
リチウムイオン電池に代わる更なる高効率な蓄電池の研究・開発が進んでいるそうです。
また、お値段もまだリーズナブルとは言えない価格帯です。
蓄電池の進歩とニーズの拡大により価格はもう少し下がるのではないかと予想しています。
キャンプなどアウトドアでの活動や防災対策として一台は保有しておいて損はありません。

また、使い方次第でいろいろな活用法が見つかると思います。
皆さんも探してみてください。

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hiro

サイト運営者、hiroです。 アウトドア・フィッシング・DIYを中心に有益な情報を発信したいと思っています。キャンプは子供の頃から経験しています。本格的に始めたのは15年前程。経験などを織り交ぜていければと思っています。 生物系大学卒業で、本業は保険系システムエンジニアです。 詳しくはAboutをご覧下さい。

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